総合の時間で使える探究教材

若草物語

若草物語わかくさものがたり
ルイザ・メイ・オルコット 作さく

Little Women by Louisa M. Alcott

さて。あたしがあんたたちに英語えいごで聞きいてほしい本ほんは、これだよ。あんたら、「風かぜと共ともに去さりぬ」っちゅー映画えいがの話はなしは聞きいたことあるかい?この本ほんが書かかれた時代じだいと同おなじく、1860年代ねんだいアメリカが舞台ぶたいさ。アメリカが南北戦争なんぼくせんそうをしていた頃ころの話はなしなのさ。このとき、奴隷制どれいせいを続つづけるのは反対はんたいという北部ほくぶ、つまり若草物語わかくさものがたりの父とうさん側がわと、奴隷制どれいせいを続つづけようという南部なんぶが戦たたかっていたのさ。

南北戦争なんぼくせんそうにつながるキッカケとも言いわれた文学ぶんがくに、1852年ねんにアメリカのストー夫人ふじんが出版しゅっぱんした「アンクル・トムの小屋こや」というものもあるよ。(これも、読よんでおくべき本ほんのひとつだね。もちろん日本語にほんごでいいよ)1850年代ねんだい、1860年代ねんだいと、時代じだいを追おいかけながら文学ぶんがくを読よめば、また新あらたな発見はっけんがあるよ。

ちなみに1865年ねん、戦争終結後せんそうしゅうけつご、有名ゆうめいなリンカーン大統領だいとうりょうは「奴隷解放宣言どれいかいほうせんげん Emancipation Proclamation」を発はっして、長ながく続つづいた奴隷制どれいせいが廃止はいしされたんだよ。ブラックライブズマターはここからもう、始はじまっていたのさ。そんなことを感かんじながら、英語えいごを聞きいてごらん。
若草物語

時ときは1860年代ねんだい。アメリカ東北部とうほくぶのコンコードという町まちに、仲なかのよい四人よにんの姉妹しまいがいました。
美うつくしくて、社交界しゃこうかいに憧あこがれる長女ちょうじょのメグ。男おとこまさりで、読書好どくしょずきの次女じじょ、ジョー。内気うちきでピアノが上手じょうずな、三女さんじょのベス。そして絵えが得意とくいでおしゃまな末すえっ子こ、エイミー。

In 1860s in the northeastern town of Concord in New England, the United States, there lived four very close sisters of The Marches family named Meg, Jo, Beth and Amy.  Pretty Meg, the oldest daughter, always dreamed of upper-class life and going to parties.  The boyish second girl, Jo, loved to read books. The third daughter Beth, the shy one, was a good pianist.  And the little lady, Amy, was a good painter.

姉妹しまいは、母はは・メアリーといっしょに、南北戦争なんぼくせんそうに行いったお父とうさんの帰かえりを待まちわびながら、つつましやかに暮くらしていました。そんなマーチ家けにも、クリスマスがやってきました。「プレゼントのないクリスマスなんて、クリスマスじゃないわ!」「貧乏びんぼうって最低さいてい!」文句もんくを言いうジョーやメグに対たいして「お父様とうさまやお母様かあさま、そして姉妹しまいがいるだけで私わたしは満足まんぞくよ」と言
い
うベス。


The sisters and their mother, Mary, led humble life, waiting for Father March to return from fighting in the Civil War.  When Christmas season arrived, Jo and Meg grumbled, “Christmas won’t be Christmas without presents!” “It’s so dreadful to be poor!” But Beth said contentedly, “We’ve got Father and Mother, and each other.” 

マーチ家いえの隣となりには、年老としおいたお金持かねもちのローレンスさんが住すんでいました。それまで、気きむずかしいローレンスさんとマーチ家けは、これといった交流こうりゅうはありませんでした。でも、同おなじ年代ねんだいの孫まご・ローリイの部屋へやの窓まどに、ジョーが雪ゆきだまをブツけたことがきっかけで、両家りょうけはおつきあいをはじめます。

Next to their house lived the rich and elderly Mr. Lawrence and his grandson named Laurie.  Known for being difficult, Mr. Lawrence didn’t socialize with The Marches.  But they got to know each other after Jo, who wanted to make friends with Laurence, tossed up a snowball to the window of his room to make him look out. 

若草物語

最初さいしょは、うちとけられなかったベスも、気きむずかしいローレンスさんと、だんだん仲良なかよしになっていました。
お屋敷やしきにあるグランドピアノを自由じゆうに弾ひかせてもらえるようになると、ベスはうれしくてたまりません。
「感謝かんしゃの印しるしに」と、ローレンスさんに温あたたかい部屋へやばきを作つくってあげたのです。
そうしたら、今度こんどはなんとローレンスさんから、マーチ家けにアップライトピアノが運はこばれてきたのでした。

At first, timid Beth found it hard to talk to old Mr. Lawrence, but gradually became comfortable around him.  He offered the girls to practice on the grand piano any time of the day in his mansion, which made Beth, the good pianist, very happy.  She was so thankful that she made a pair of slippers for Mr. Lawrence, who in return sent The Marches a little cabinet piano.

「このピアノはね、ずっと弾ひいてくれる人ひとを探さがしていたんだ。私わたしたちの代かわりに、あなたがたが音おとを出だしてあげてくれないかい?」夢ゆめのような楽器がっきを前まえに、ベスは手てをたたいて喜よろこびたいのを必死ひっしで抑おさえていました。


His letter said, “This piano has been looking for someone to practice on.  Would you be so kind to play it on our behalf?”  Seeing the beautiful little piano, Beth couldn’t be happier.  She had hard time hiding her joy, pressing her hands together to keep from clapping.

ある日ひ、戦争せんそうに行いっていた父ちちが怪我けがをして、ワシントンで入院にゅういんしているという知しらせが届とどきます。
ジョーは、お母かあさんの旅費りょひをつくるために、大切たいせつにしていた自分じぶんの金髪きんぱつを25ドルで売うって渡わたしました。
ところが、お母かあさんが、お父とうさんの看護かんごに行いって留守るすの間あいだに、マーチ家いえには大変たいへんなことが起おこります。


One day, The March family received a telegram that Mr. March was seriously ill and stayed in the hospital in Washington, D.C.  Jo had her precious blond hair cut off and sold so that she could provide her mother with $25 for her trip to the hospital.  In their mother’s absence, something terrible happened to The Marches.

貧まずしい近所きんじょの娘むすめを看護かんごしてあげたことがきっかけで、今度こんどはべスが、しょうこう熱ねつにかかってしまうのです。
死しの影かげと戦たたかうベスを看病かんびょうしながら、ジョーは思おもいます。「ベスという妹いもうとは、なんとやさしい心こころを持もった妹いもうとなのでしょう。人ひとのために生いきる、なんと深ふかい人間にんげんなのか」
姉妹しまいたちの必死ひっしの看病かんびょうで、ベスは何なんとか一命いちめいをとりとめたのでした。


Beth went to visit a poor neighbor to bring them food and supplies and while taking care of their ill baby, she contracted scarlet fever.  Jo devoted herself to Beth and saw how the sweet younger sister bore pain uncomplainingly and unselfishly lived for others.  With her sisters’ devoted care, Beth survived the sickness but did not retain her energy as she used to. 

若草物語

再ふたたびクリスマスの時期じきが巡めぐってきました。昨年さくねんは「プレゼントのないクリスマスなんて、クリスマスじゃないわ」と言いっていたジョーも、「お父様とうさまがいらしたら、私わたしはもう、何なにもいらないわ」というベスの言葉ことばに「本当ほんとうにそう思おもうわ」とうなずきます。様々さまざまな事件じけんを経へて、少女しょうじょだった姉妹しまいは、若わかき女性じょせいへと成長せいちょうしはじめます。
そして、そんな姉妹ふたたのもとに、戦争せんそうに行いっていたお父とうさんも、いよいよ帰かえってくるのでした。


Christmas season arrived.  “I’m so full of happiness, that if Father was only here, I couldn’t hold one drop more,” said Beth.  “So am I,” added Jo, who, only the year before, grumbled, “Christmas won’t be Christmas without presents!”  Through their dreams and hardships, the four little girls surely began to grow in maturity as fine ladies.  And to these women on Christmas Day, Mr. March returned.

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