サハラ砂漠さばくの南みなみ、マリ共和国きょうわこくの北きたにある伝説でんせつの黄金おうごん都市としトンブクトゥを訪たずねたことがある。 

そこにある世界せかい遺産いさんのモスクは、２０１２年ねんにイスラム過激派かげきはの支配しはい下かとなったことで、激はげしく劣化れっかした。
偶像ぐうぞう崇拝すうはいを認みとめないイスラム過激派かげきはは、
イラクやシリアの古代こだい遺跡いせきを破壊はかいし続つづけた。

その中なかにはモスル博物館はくぶつかんに収蔵しゅうぞうされていた神像しんぞうや、
ユネスコ世界せかい遺産いさんに登録とうろくされていた、
古代こだいローマの都市とし遺跡いせきハトラまでもが含ふくまれている。

数千年ねんの歴史れきしを持もつ貴重きちょうな文化ぶんか遺産いさんが爆弾ばくだんやブルドーザーによって破壊はかいされるシーンはあまりにも無残むざんで、目めを背そむけたくなった。

たとえどんなに、考かんがえ方かたや宗教しゅうきょうが違ちがっても、
歴史れきしある建造物けんぞうぶつは人類じんるいの宝たから。

古代こだいの人ひとが知恵ちえと汗あせを結集けっしゅうしてつくったものは、
永遠えいえんに守まもり続つづけなくちゃいけない。

千年ねんの歴史れきしは一秒びょうで爆破ばくはできるけれど、
一度いちどなくしたものは二度どと戻もどってこないのだ。